驯れずしから早ずしへの変化から见る日本食文化の特徴 下载本文

ている。日本人が食用とする魚の種類は多様であり、季節ごとに異なった回遊魚が得られる。また、比較的短い冬と飛びきり夏があり、その間に長い春と秋があるという気候で、季節ごとに異なる多様な魚が獲られる。このような自然に恵まれた日本では、それぞれの季節ごとに異なる食物を入手することが可能である。

現在では、冷凍技術の進歩によって一年中同じ魚を食べることもできる。それでも日本人は、それぞれの食物はどの季節に食べられるべきであるかという、食物と季節の関連についての観念を強く持っている。日本料理から季節感をなくすと、ほとんど魅力のない食べ物になってしまう。日本人は、それぞれの食物を食べるのに最もふさわしい時期を「旪(しゅん)」と呼び、食物はその旪に食べるのが、いちばんおいしく、安く、また健康によいと考える。食物自体が季節を象徴しているのである。例えば、初カツオが食卓に供されることで初夏の到来を知り、サンマは秋を象徴する魚である。そして、料理の中で、季節感が出すには「旪のもの」や「走りのもの」を使い、料理人としては特にお吸い物に重点を置く。「季節の味」を大切にするために、できるだけ調味を少な くするのである。その結果、日本料理は薄い味のする料理となっている。

(三)肉食と乳利用の欠如

日本は魚好きの民族として知られているが、日本人が魚をごちそうとみなしてきた主な理由は、日本の祖先たちが一千年以上もの長い期間にわたって、動物の肉を食用にすることを差し控えていたことによる。

原則として哺乳類の肉を食用とすることは禁じられており、鳥類もほとんど食用しなかった。となると、動物性の食品としては魚介類を食べるしかない。 肉食を禁じたのは、動物を殺すことを禁じる仏教思想によるものである。6世紀に仏教が日本に伝来し、7世紀後半から約百年のあいだは、歴代の天皇たちは動物を殺すことを国民に禁じてきた。特に八世紀になって、仏教を国教として、仏教の理想に基づいて国家を運営しようと試みられるようになると、肉食の禁止は国家の政策のひとつとなったのである。肉食をしないことが民衆のあいだにまで浸透するには長い時間がかかったが、ついには民衆も原則として動物の肉を食べないようになったのだ。

同じく仏教を取り入れた中国と比較すると、僧侶だけが肉や魚介類の食用を禁じられたが、民衆の日常の食事には肉食が許されていた。この肉食のタブーが解禁となったのは、一八六八年の明治維新のころからである。日本の代表的な肉料理とされるすき焼きも、約百年の歴史しかもたない、新しく考案された料理なのである。

五、日本文化の特長

(一)季節を重んじる

前にも紹介したように、日本の食文化ははっきり変化する季節に親密な関係があることと、日本料理には季節感が不可欠だということが考えられる。豊かな海に恵まれた日本は、自然に魚好きの民を育んでいる。しかも、季節感の方が味より大切にされているようである。食物ばかりではなく、日本文化そのものが季節を重んじる性格が強い。世界で一番短い詩である十七文字の俳句の中には、季節を象徴することば、季語が必ず入っていなければならない。そのためには、万物を四季のいずれかに分類しておく必要があり、その手引書となる「歳時記」のなかでは、日本人の伝統的な生活に関する事柄が、食物や料理も含めて、四季に分類して載せられている。

日本料理といえば、「自然」と「調和」というのがもっとも適切な説明だという。要するに、自然、環境、及び食べる人との調和は日本料理に欠かせないこと。

(二)現代生活に合う速さ

馴れずしから握り寿司へ、この劇的な変遷をもたらした一つの要因は「スピード」だろう。もともと魚の保存食だったものが自然発酵させる時間がもどかしいということで酢を加えて寿司飯を作るようになる。さらに後年、重しをのせて一晩寝かす時間も待てないということで、その場で手で握るようになった。東单アジアの馴れずしから始まった寿司の歴史は、はるかな時と空間の旅を経て、やがて極東の島国で握り寿司を誕生させた。その根本にあったのは「今すぐ食べたい」「今すぐ作ってほしい」という無邪気な欲求だったのではないか。それが大胆な発想や斬新な手法を生み出す原動力になっていたと思う。

寿司と同じく現在社会を解くカギもまた「スピード」だろう。情報は瞬時に世界を駆け巡る。まさしく「世界はコンピュータで結ばれた一つのネットワーク」だ。⑥そうした社会で人々が求めているのは新しさであり、驚きであり、楽しさだ。もちろん、だれもが手軽に、ということが前提にある。食文化においては、寿司および回転寿司こそ、現代人のニーズのすべてに応える二十一世紀型ファストフードといえるだろう。

寿司は江戸の郷土料理から日本の伝統料理となり、今や世界中の人々から愛される料理になった。これは変化というより、むしろ、寿司の商品性や販売形態などを含めての進化と考えられる。新しい生活のしかたが出たこそ、新しい寿司の形が生まれてきた。この先、どんな変化や進歩をとげるか、大変興味深⑥周達生.世界の食文化②中国.東京:農山漁村文化協会,2004.

く、また楽しみなところだと思う。

六、終わりに

本来、東单アジアに発した寿司が中国?朝鮮半島を経て日本に伝わり、加工食品の形を変えて日本料理の代表の一つとして、生活の中に深く根を下ろしたのは、模倣同化にすぐれた才能をもつと同時に、米食に密着し、生魚を非常に好んだ日本人の祖先の特性がもたらしたものとも言い得よう。そして、日本人のせっかちな性格と新しい発想もそれに貢献しただろう。

寿司は実に不思議な食べ物だと思う。そして、寿司飯と生の魚の切り身の組み合わせの素晴らしさに、握ることで一瞬にしてできあがる職人技に、食べやすい形や一口サイズであることにもあらためて感心させられる。

シンプルなものこそ奥深い。今や世界の寿司といわれる食べ物となってしまった寿司だが、その根底には無駄なものをいっさいそぎ落とすことで素材のよさを最大限に引き出すという、日本の文化全般にわたって共通する、洗練に向かう美学や手法があるのだろう。それは日本が世界に誇れるものの一つであるに違いない。

寿司に対する研究から感じたことは、新しいものを作り出す日本人がの能力は確かに抜群だということである。それは我国の伝統的な料理、あるいは伝統的な思想にどんな啓示が教えるのか。これはこれからもっと研究したい問題だ。

参考文献:

[1]段玉裁注本.説文解字.上海:上海古籍出版社.1981.

[2]ケイティ?スチュワート.料理の文化史.東京:学生社,1990.

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[4]日比野光敏.寿司の貌.東京:大巧社,1997.

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[10]馬鳳玲.現代日本人的風俗習慣.大連:大連大学出版社,2001.

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[13]美しい日本の常識を再発見する会. 日本人は寿司のことを何も知らない.東京:学習

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[14]西谷大.食べ物と自然の秘密.東京:小峰書店,2003.

[15]周達生.世界の食文化②中国.東京:農山漁村文化協会,2004.

[16]北岡正三郎.日本の食文化小史.食生活研究,VOL.28.No.2(2008).

馴れずしから早ずしへの変化から見る日

本文化

主旨: 寿司の主材料である米とお酢は、もともと中国から朝鮮半島を経て日本に伝来したものである。